【イベントレポート】UX、デザイン思考、サービスデザインのための「あなたに使えるUXデザイン入門」

こんにちは!ベーシックデザイン部の澁澤です。

株式会社アイ・エム・ジェイ様がconnpass(コンパス)のUXD/HCD ワイワイCAFEというグループで、UXデザインを社内で実践してもらうためのノウハウを共有するセミナーを全5回で開催しています。今回は、その最終回のUX、デザイン思考、サービスデザインのための「あなたに使えるUXデザイン入門」 に参加してきました!

社内にUXデザインを導入したいときに壁となるのは、社内の人を説得すること。今回は、上司役となる方をゲストとして招待し、現場で導入するための提案を行うワークショップを行いました。

*前回も参加しているので、興味のある方はこちらの記事も読んでみてください。

現場の上司にUXデザインをどう提案するか

冒頭でも少し触れたように、今回のセミナーのゴールは、現場で実際にUXデザインを導入するための方法を考えて、その経験を現場に持ち帰ってもらうことです。
UXデザインについて自分で勉強したり、こうしたセミナーや勉強会に参加することは多くの方が行っているかと思いますが、そう簡単に社内に浸透しないのが難しいところ。

実際の上司役の方々を招待して実践

そこで、今回のセミナーの場を「UXデザインをはじめるためのプロトタイピングの場」と位置づけて、実際の現場を再現するために以下の3名のゲストが現場の上司役として招待されました。

有野さん(出版社勤務 Web Executive Producer)

大西さん(株式会社ブクログ 取締役)

太田さん(IMJ Group Lead Strategist)

いくつかのグループに分かれて「現場でUXデザインを導入するにはどう提案すれば良いか」という議題でディスカッションを行い、上司役の方に提案を行っていきます。その提案に対してOKが出るまで何度でも提案してよく、最後に採点をしていただくという流れで進めました。

まずはこうしたセミナーで体験してもらい、失敗してもいいので何度も実践することで、現場に戻ったときにその経験を活かしてもらおう、というのが運営側の意図でした。確かにこういった試す機会があるのは貴重ですね。

上司に提案するなら戦略的に

といっても、ただ上司に「やりましょう!」といっても通るわけがないので、提案の仕方は考える必要があります。そこで今回活用したのが、仮説ステートメントというフォーマットでした。

ポイントは、上司が抱えている課題と自分の抱えている課題との共通点に着目すること。このフォーマットを埋める際に、「どんな提案であれば、上司の悩み・課題も解決するか」といったことを意識することが重要です。

この仮説ステートメントについても含めて、後ほど詳しく見ていきたいと思います。

廃刊が決まった雑誌のWeb移行を上司が任されたとき、どう上司と一緒に課題に取り組むか

 なにやらシリアスな雰囲気が漂いますが、これはあくまで架空のシチュエーションにおけるロールプレイングなので、実際の事象を取り上げているわけではありません。が、とにかく順を追って見ていきましょう。実際のワークショップでは、以下の順序で進められました。

1)今回の参加者をペルソナに見立ててメンタルを把握

2)社内導入のシナリオをチームでディスカッションして作成

3)上司役の方に提案&フィードバック 

1)参加者をペルソナに見立てて現状把握

1)については、前回のイベントのときに行ったインタビュー等で収集した情報をKJ法を使って整理することを行いました。ここでの整理する目的は、「UXデザインをなかなか導入できない人のメンタルを把握する」ことです。

このようにポストイットに書かれたペルソナの情報を分類・整理していきました。このペルソナって誰?ということについてなんですが、実際の参加者自身をそれと見立てています。なので、ある意味自分で自分を分類している、といった感覚に近いでしょうか。

ちなみに自分のグループでは、例えば以下のような要素にまとめられていました。

「UXをやる体制が整っていない」「仕事でのUXの使い方が分からない」「人によってUXの定義が異なる」「難しい言葉を使わず、共通言語で話すと伝わる」などなど…

なお、KJ法とは発想法の一つで、この場合はインタビュー等で得たペルソナの情報を整理することで、新しい一面や隠れた重要な事実を発見するために行います。
*詳しくは第4回のレポート記事で紹介していますので読んでみてください。

2)社内導入のシナリオをグループで作成

こうして一旦ペルソナのメンタルを把握したところで、次に現場の上司を説得するためのシナリオを考えるフェーズに移っていきます。

自分のグループには、出版社勤務の有野さんが担当してくださいました。この自己紹介の中で、架空のシチュエーションとして、

「ある雑誌の廃刊が決まっており、Web媒体への移行が決まっている。そのディレクションを任されているが、社内の部下はまだ紙媒体にしがみついており、なかなか良い案が下から上がってこない」

といった状況を説明してくださいました。他にもさまざまな状況はありましたが、大まかには上記の通りです。

これらに対して、冒頭で少し触れた仮説ステートメントに埋めていく形でシナリオを作っていきました。

「〜のユーザー/ペルソナ」:このフォーマット自体は自身のサービス・プロダクトのユーザーなどに対して使えるものですが、今回は相手が上司なので、上司役の方の名前が入ります。

「機能・仕組み」:ここには実際の提案内容が入りますが、もちろんいかに良いUXを提供するかという視点は欠かせません。

「効果・嬉しさ」:ここで注意すべきは、上司の課題と自分の課題との共通部分を解決するような効果があるかどうか、という点です。

「定性的なフィードバック…」:目指す目標が実現できたかどうかを計る指標を決めるのは意外と難しく、講師の鈴木さん曰く、使えそうないかにもそれっぽい「虚栄の指標」が多く存在するそうです。

*詳しくは当日の資料の60ページを参照!

3)上司役の方に提案&フィードバック 

提案自体は仮説ステートメントを元に行うのでそれほど難しくありません。

制限時間内で何度も提案していいので、一番重要なのは上司からのフィードバックを元にどう改善できるか、ということでした。

最後には上司から採点・フィードバックを頂いて、全グループで発表という形で締められました。

上司に歩み寄るコミュニケーションが大事

今回のセミナーを通して感じたのは、歩みよる姿勢と上司とのコミュニケーションの量が大事ということでした。 

もちろん「UXデザインを広めたい!」という思いを伝えることも大事ですが、お互いの利害を理解した上で見解の交わる部分を可視化していく、というところが今回のワークショップの中で大切なことだったではないかと思います。

どんなに立派な提案を持っていっても「でもうちの状況じゃそれじゃ無理」と言われてしまうのがオチかもしれません。

自分自身も上司、ひいては社内の人間と話すときにこうしたことを意識すべきだと、密かに内省しました。今年最後のイベントとして良い気づきがありました!

当日の資料について

 

 

澁澤 史哉

澁澤 史哉

2012年より半導体系の専門商社にてシリコンバレー付近の新興メーカーを国内プロモーションする業務に従事。2014年9月に退職し渡豪。帰国後、2016年よりマーケティングオートメーションツールferret One(フェレットワン)の運営にCSチームとして携わる。7月よりデザイナーへコンバートし、現在機能開発・デザインを担当。

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