レポート記事『BLITZ -UI以外がテーマのUXイベント- #02』

こんにちは!ベーシックデザイン部の澁澤です!

先日、株式会社Branding Engineer様のイベントスペースで開催されたBLITZ -UI以外がテーマのUXイベント- #02に行ってまいりました!
このイベントは、BLITZというconnpassのコミュニティが「UI以外にフォーカスしてUXを考えよう」というコンセプトの元に開催しているものです。ユーザー体験について議論する上で、UIから生まれるUXといった文脈が多いですが、必ずしもUX=UIということではないのだそう。

今回、サイバーエージェントUIUX Lab代表の鷲山さん、NTT-TCの本園さん、Yahooの伊藤さん、Fablicの竹渓さんの4名の方が登壇され、UI以外のUXデザインの手法や事例について発表されました。

*登壇資料については掲載許可を得たものだけを載せています。

より多くの「気づき」がUXの第一歩

鷲山優作さんは、元々紙媒体のデザインからキャリアを始め、Webデザイナー、アプリ開発を経て現在、スマートフォン向けゲームに最適なUI/UX研究を行っているサイバーエージェントの専門組織UIUX Labの代表として活動しています。

UXデザインは奥が深いかつ、関わる人間も多いので、なかなか取り組みにくいのも事実。また、「プロダクトが100個あったら、100通りのやり方がある」と言うように、他のサービスの取り組みを鵜呑みにして、そのまま自社のサービスに横展開するのは避けた方が良い、と鷲山さんは言います。

「チームを飛び越えて組織を巻き込むということが非常に大事だなと思っています。(中略)サイバーエージェントのゲーム事業に携わる子会社11社が所属するSGEという事業部があるのですが、そこで、半期に1度『あした会議』という新規事業や課題解決のアイデアを出し決議する1泊2日の合宿を行っています。そこで決議された施策を半期かけて実行に移していきます。

そのあした会議で決まった『サバモック』というものがありまして、いろんな新規開発プロダクトを組織を横断してペルソナに近い人たちが20人くらい集まりレビューして採点する制度があります。

UXの改善・向上についてはより多くの『気づき』が必要なのではないかと個人的には思っていて。デザイナーとかエンジニアとか職種など関係なくちょっとした違和感や疑問を投げてくれる人が圧倒的に増えるという状態が生まれて、こうした仕組みがUXデザインを良くする第一歩になるんじゃないかなと思っています」

描いたイメージを可視化して共有することが大切

続いて、「ファシグラを用いたチームビルディング」というテーマでNTT-TCの本園さんが登壇されました。ファシグラとは、ファシリテーション・グラフィックのことで、議論している内容、ホワイトボードや模造紙に絵で描いて可視化しながら進めることを言います。この手法を広めるべく活動を行っているそうですが、その手法は簡単なものだと言います。

「絵を描くのが苦手とかそういうことは全然関係なくて、まずは描いてみること。そこで、何か認識にずれがあった場合、その場で修正できるんですね。そこがまさにファシグラのポイントです。後々になって『イメージと違ったんだけど…』といった事態を避けることができます。

大切なのは、自分がイメージしているものを可視化して共有すること。例えば、カスタマージャーニーマップなどを作る際に、このときにユーザーの感情がどうだろうか?とチームで議論しますが、ニッコリマークだけでも描いてしまうのもありだそうです。

まずはチームでランチに行きましょう

『みんなでUXデザインをするために』というお題で登壇されたのは、YahooのデザイナーとしてUXデザインを手がけている伊藤愛さん。なかなか社内でUXデザインを実践できない方に向けて、上手く浸透させるための7つのコツをシェアしました。

UXデザインを導入する上でまずぶつかるのは、賛同者や理解者が社内にあまりいないということ。一人で戦うには限界があるそうした状況では、仲間や外部の識者を巻き込むことが有効だと言います。

その他さまざまなポイントをお話されていましたが、中でも大切なのは意見交換をしやすい環境を作ることだそうです。

「…(UXデザインを導入するために大切なことの6つ目は)偉くなること。これは強いです(笑)自分からUXデザインをやるって決められるってすごい良いですよね。ただ、偉くなったからってすべてが上手く行くわけでは決してありません。(賛同してくれる)仲間がいることが大切です。
最後は、仲良くなること。仲良くなると言いたいことが言えますよね。これってとっても大切で、言いやすい環境だとアウトプットが良くなります。なあなあの関係ではなく、厳しいことも言える環境を目指すのが良いと思います。

仲良くなるには、ごはんを食べに行くのが良いと思います。まずはメンバーでランチでも行ってみるのがよいかなと思います。」

登壇資料はこちら↓↓

http://www.slideshare.net/AiIto5/ux-69756823

誰でもSQLを使えるようにするチームづくり

最後に登壇されたのは、株式会社Fablicの共同創業者の竹渓さん。運営しているフリマアプリのFRIL(フリル)では、実際のユーザーからCSスタッフを採用していたり、だれでもSQLを使えるようにしていたりと、ユニークなチームづくりをされています。

UI以前に行っていることをテーマに、サービス改善・向上のための定性調査や定量調査の手法やツールについてお話いただきました。

定性調査(ユーザーインタビュー、アンケート)は、実際のユーザーの考えが深いレベルで分かったり、ユーザーの共通認識が理解できる点で有効です。一方で定量調査では、ユーザーの利用状況や行動パターンなどのデータを元に、継続率はどのくらいか、どこで離脱しているのか、といった変化を毎日確認することができます。

こうしたユーザーとのコミュニケーションが大切になってきますが、定性・定量どちらも長所や短所を持っており、そのバランスが必要とのこと。最後に竹渓さんはこう締めました。

「UIに着手する前に定性的な調査を行っていて、チームの誰でもユーザーのデータにアクセスすることができるようになっているのが、Fablicの特徴です。定性と定量どちらにも長所・短所はありますが、両輪で回すことが大切だと思います。それを実現するためには組織の文化づくりからやっていくことが大事なのかなと思っています。」

登壇資料はこちら↓↓

https://speakerdeck.com/takejune/before-ui-design-fablicdeshou-wodong-kasuqian-nisiteirukoto

まとめ

今回の登壇者に共通するのは、UXデザインを実践していくにあたって重要なのはチームづくりだということ。デザインとなると目に見える部分が注目されがちですが、ベースの部分で大切なのは、組織の文化やマインドの共有、ユーザーの考えといった目に見えないところをいかに可視化するかというところではないでしょうか。

大枠で言えば、サービス全体の設計のみならずチームの設計もUXを支える一部と言えるかもしれません。

澁澤 史哉

澁澤 史哉

2012年より半導体系の専門商社にてシリコンバレー付近の新興メーカーを国内プロモーションする業務に従事。2014年9月に退職し渡豪。帰国後、2016年よりマーケティングオートメーションツールferret One(フェレットワン)の運営にCSチームとして携わる。7月よりデザイナーへコンバートし、現在機能開発・デザインを担当。

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