「実績や得たノウハウを発信するところまでがシゴトの報酬」 iOSエンジニア堤修一さんの仕事論に迫る| dotFes 2016 shibuya

こんにちは!ベーシックデザイン部の澁澤です!

先日、渋谷ヒカリエにある株式会社ディー・エヌ・エー様のオフィスで開催された、dotFes(ドットフェス)に行ってまいりました!2年ぶりの開催ということで、今回は「デザイン × 〇〇」というテーマで、各方面からトップクリエーターの方々を招待していました。

その中から、iOSエンジニアの堤修一さんのセッション「デザイン×ライフスタイル 制作者として海外で働くということ」をお届けしたいと思います。

かつては大企業社員だったという堤さんですが、退職後にクスールのActionScript講座を受講し、その後面白法人カヤックにエンジニアとして転職。iOSアプリ開発の経験を積み、フリーランスとして海外案件を手がけるようになり、2016年10月からサンフランシスコでFyusion社の社員として働き始めているそうです。

<話し手>

堤 修一  Tsutsumi Syuichi  Fyusion, Inc.  iOSエンジニア

Fyusion, Inc. iOSエンジニア。ウェアラブルおもちゃ「Moff」、次世代車いす「WHILL」、ウェアラブルトランシーバー「BONX」などハードウェアと連携するiOSアプリを多く手がける。オープンソース活動も行っており、GitHubでの累計スター数は世界トップ50にランクイン。著書「iOSxBLE Core Bluetoothプログラミング」「iOSアプリ開発 達人のレシピ100」。

<聞き手>

松村 慎  Matsumura Shin  株式会社クスール  代表取締役社長

2002年カナダバンクーバーから帰国したのち、株式会社バスキュールにFlashデベロッパーとして勤務。2004年にFlashのActionScriptを中心にものづくりを教える教室クスールを開設。2006年春から京都精華大学デザイン学部非常勤講師としても勤務。

CEOがGitHub上で僕のことを見つけてきた

松村氏:どういう経緯で今回Fyusionという会社に雇われたの?

堤氏:ちょっとGitHubのページを切り替えてもらってもいいですか。今回の仕事は僕から応募して合格して入ることになったのではなくて、向こうのCEOがGitHub上で僕のことを見つけてきて。そこの会社に日本のベンチャーキャピタルの投資が入っているんですが、そこ経由で「CEOが話したがっている」という形で話がありました。

GitHubにはfacebookのいいね!数と似たものにスター数というものがあるんですが、自分は世界でもかなり多い方で、それでCEOも僕のことを見つけてきたんだと思います。CEO自身もばりばりコードも書いてオープンソースのコミュニティもやってきている人間なので、GitHubでいい人を見かけたら声をかけたりしてるみたいです。

松村氏:ちなみにこれがランキングだよね?

堤氏:そうですね。これがGitHubの総スター数のランキングなんですけど、世界で39番目のエンジニアとして(ランクインしていますね)。でもスターが多ければ良いというものでもないので、一つの指標としてこういうものもあるというくらいで。

少なくとも今の会社では英語力は全く気にされていない

松村氏:あとこれは聞きたかったんだけど、英語ができなくてもデザインやエンジニアのスキルがあれば大丈夫なのか、どう思われますか?

堤氏:あの、まず僕の英語力を聞いた方が。去年あたりに参加したHacker Paradiseというアメリカ発のエンジニア集団があって、それに興味を持って応募した時の面接の会話がこれです。

この時の会話は、「なんでiOSアプリを始めたの?」という質問に対して僕が答えようとしているシーンです。

(元音源はこちら: 海外のiOSカンファレンスに登壇する

堤氏:これをお聞きになってわかる通り、そんなに流暢ではないと思うんですけど、会話できなくて大丈夫かっていう話で言うと、大丈夫かどうかはわからないけど、うちの会社では少なくとも英語力は全く気にしていないようです。

できた方が良いに決まっているけど、そこまで気にしない会社もあって。なので、何か自分の実力を海外の人にも証明できるものがあればチャンスはあるかなと。

週末に自ら勉強会も開催

松村氏:でもfacebookを見たら、週末に同僚を誘ってもくもく会みたいなのを主催していて、そこはすごい勇気があるなと。

堤氏:同じiOSエンジニアの人が1人いて、そこは話も合うので、誘おう誘おうと1週間くらい様子を伺っていて(笑)、ついに会社のキッチンで2人きりになる機会があったので誘ったんです。

司会:誘った時の言葉を英語で言ってみてもらえませんか?

堤氏:例えば、”What do you do in weekend?”

司会:デート誘うみたい(笑)

それで僕は、”Also in weekend, I want to learn programming more. But, if I’m alone, I’m lazy. So in Japan, sometimes I work together with my friends, and work each other, and share the result. How do you think about this?” みたいな感じで答えました。

松村氏:それで彼はちゃんと応えてくれたんだ。

堤氏:こういう時に「こいつ何言っているかわかんない」と思ってこころを閉ざす人もいるんですけど、彼はすごく前のめりに理解しようとしてくれていて。

松村氏:やっぱり自分から頑張ったらいけるんだね。心温まるストーリーということで(笑)

海外に挑戦するためには英語力を補うスキルと実績が必要

堤氏:ちょっと自分の経歴のところに戻るんですけど。

自分の今の英語力を補ってあまりあるスキルとかがない限り、日本だったら(日本語で)いろいろと議論しながら良いプロダクトを作っていけるかもしれないのに、なんとか海外の会社に潜り込めたとしても、タスクをこなすだけのつまらないポジションにしか入れないんじゃないかと。どんどん自分のスキルと実績が縮こまっていくんじゃないかと思っていました。

それで、まずは国内でスキルと実績をちゃんとしようと思って、日本でフリーランスとして働き始めました。

それで、そろそろ海外行っても良いんじゃないかと思い始めたのはBluetoothの本を書いた時で、当時自分ほどiOSのハードウェア向けのアプリを作っていたiOSエンジニアは世界でもあんまりいないし、英語が多少下手でもニーズはあるんじゃないかと。

松村氏:だからやっぱり英語より技術をまずつけようということだよね。

実績や得たノウハウを発信するところまでがシゴトの報酬

松村氏:一つ聞きたかったのは、ブログとかGitHubとかでちゃんと見てもらうために意識して気をつけていることとかある?

堤氏:自分がGitHubにオープンソースのコードを書いてアップしたり、ブログをよく書いたりしているのは、そもそも外の人には自分から言わないと分からないっていうのがあります。

仕事をやってお金をもらうだけじゃなくて、「ぼくはこれをやりました」「こんなスキルを持っています」ということを外の人から発見可能な状態にすることも含めて仕事の報酬だと思っています。

なので、どんなに忙しくても絶対に書くというくらい優先度を高く持っていますね。やっぱり、やった仕事を外にアピールできるところまでが報酬なのかなと。

松村氏:結構書くのも時間かかるからね。

堤氏:かかりますね。でも気合い入れて書くほど、全然見てもらえなかったりとかしてなかなか難しいんですけど(笑)

今後のキャリアについて

松村氏:最後に、今後の自分の活動をどういう形で広げていこうと思っていますか?

堤氏:それはまだ全然決めていなくて。その時の面白そうな選択肢を取れば良いのかなと思っています。

もともと今の会社に入った理由としては、Fyusionのプロダクトで使っている技術の中に学びたいスキルがいくつかあったのと、英語力を伸ばしたいというのがありました。

それらが得られたらまた次のフェーズが見えてくるのかなと。



英語に苦手意識を持っているとおっしゃっていた堤さんですが、自分の英語を大勢の前であえて見せる勇気は素晴らしいと思いました。普通は「自分の英語は下手だから誰にも聞かれたくない」と思うのが自然ですが、それすらも堤さんは自分の発信源にしているようなのが印象的でした。堤さんの今後の活躍に注目していきたいですね!

堤さんに関する情報はこちら↓↓

ブログ:Over&Out その後

GitHub:https://github.com/shu223

*現在堤さんが働いているFyusion社のアプリFyuseを使ってみたんですが…これはすごいアプリ!ダウンロードしてホーム画面見た瞬間に「おおお!」と言ってしまいました。

なぜかというと、スマホの動きに合わせて投稿された写真もパノラマ写真のように動くんですよね。ハワイのビーチの写真や、山頂からの風景、滝の写真などをあたかも自分が視線を動かして見ているように感じるので、そこに行ったような気分になれます。

ここまで読んでいただいたみなさん、ぜひ試してみてください!

澁澤 史哉

澁澤 史哉

2012年より半導体系の専門商社にてシリコンバレー付近の新興メーカーを国内プロモーションする業務に従事。2014年9月に退職し渡豪。帰国後、2016年よりマーケティングオートメーションツールferret One(フェレットワン)の運営にCSチームとして携わる。7月よりデザイナーへコンバートし、現在機能開発・デザインを担当。

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