【イベントレポート】UX、デザイン思考、サービスデザインのための「チームで使える共感ペルソナ™入門 」

こんにちは!ベーシックデザイン部の澁澤です。

サービスの設計をする際にペルソナを決めるのはもちろんですが、それをチームでうまく共有し活用するのは想像以上に難しいですよね。チーム内でうまく共有できず、いつの間にかペルソナが忘れられてしまっている…なんてことは少なくないのではないでしょうか。

そうしたペルソナ作成の難しさを解決するヒントをさぐるため、先日、株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室主催のイベント「UX、デザイン思考、サービスデザインのための『チームで使える共感ペルソナ™入門 』」に参加してきました!

イベント概要

主催してくださっているIMJ様が、イベントサイトのconnpass(コンパス)でUXD/HCD ワイワイCAFEというグループを運営していて、UXデザインを社内で実践してもらうためのノウハウを共有するセミナーを開催しているそうです。今回のセミナーもその一環で、全5回構成になっていて、今回は第4回目。もうすでに3回分終わってしまっているので、過去のイベントも興味のある方は、以下のUXD/HCD ワイワイCAFEのグループページも読んでみてください。

UXD/HCD ワイワイCAFEはこちら

そもそも共感ペルソナ™とは?

ペルソナという名前自体は知っているけど、共感ペルソナ™って何?という方もいらっしゃるかと思いますので、レポートに入る前に少し説明します。

共感ペルソナ™とは、ペルソナを定義する手法の一つで、XPLANEのスコット・マシューズ氏が考案したEmpathy Mapを参考にして、IMJ様が独自に作成しているメソッドのことを指します。以下のイメージ図では、ペルソナを中心に考えていること、聞いていること、見ていること、言っていること、行っていること…といった形で、ペルソナの思考・行動を可視化していきます。

ゲームストーミング「Empathy Map」http://www.marlin-arms.com/support/games/?p=42

今回のセミナーでは、ユーザーインタビューを行って得た情報を上記のようなマップに落とし込んでいき、ペルソナ像を同じように可視化していくのがおおまかな流れです。

それでは、当日の様子をお見せしながら共感ペルソナ™について詳しく見ていきましょう!

会場であるシナジーカフェGMO Yoursに到着!

本イベントの会場となっているのは、GMOインターネット株式会社の社員食堂であるシナジーカフェ GMO Yours。なんと24時間営業でメニューも全て無料なんだとか!

少し早めに会場に到着しました!

なお、今回の講師として登壇してくださったのは、株式会社スタンダードの鈴木 智大氏。UXデザイナーとして、プロジェクト終了後もクライアントのチームだけで自走できることまで視野に入れ、案件中にワークショップ形式でのコンサルティングなども行っているそうです。

ワークショップに入る前に…

実際にワークショップに入る前に、まずは30分ほどの講義を行いました。そもそもペルソナってどういうもの?というところから、ペルソナと似たような意味で使われている用語などを、本日紹介する「共感ペルソナ™」と合わせて比較・分類を行いました。

共感ペルソナ™と他の用語との比較

また、ありがちな失敗パターンとして、ペルソナ像がぼやけているがために、

  • セールスとエンジニアでペルソナ像が違ってしまう
  • ユーザーの要望をすべて取り入れようとしてしまう

といったことが挙げられていました。

そうした入れ違いや失敗をなくすためにも、実際のペルソナに近いユーザーに対してインタビューを行い、事実ベースの情報を元にペルソナ像を可視化していくことが重要とのことでした。

いよいよワークショップへ!

さて、基本的な知識を確認したところで、いよいよインタビューに入ります。

流れとしては、インタビューで得た情報をポストイットに書きなぐり、それらを分類していきペルソナ像を具体化していくという形で進めていきます。結論から言うと、

インタビュー、とても難しかったです…。

どこが難しいかといえば、表面的な回答ではなく、その先の背景や理由・文脈まで深堀ることができるかという点です。その点について、実際のワークショップの様子とともに詳しく見ていきましょう。

ワークショップ:インタビュー

インタビュアーとインタビュイーに分かれて行い、記録係がポストイットにひたすらインタビュー内容を書きなぐっていきます。インタビューのテーマは今回は絞ってあり、「ワイワイCAFEの参加者のペルソナ」としていました。これは今回のセミナーの参加者自身のことですが、要するにUXデザインを学んで社内で実践していきたいと考えている人たちのことを指します。

班のメンバーとの話し合いの結果、自分はインタビューされる側に回りました!根ほり葉ほり質問されてとても恥ずかしかった…。

インタビュアーと記録係に囲まれて色々聞かれています…。

インタビューで得た情報はこうしてポストイットにたくさん書かれていきます。

ちなみにインタビューされる側に回って気付いたのは、「インタビュアーに気を遣いながら回答なんてしない」ということ。インタビュアーの欲しい情報がなんだろうが、建前を言いたいときは言うだろうし、それがゆえに本音の情報まで行き着かない、ということはざらにあるんだろうなと思いました。もちろん自分もほぼ建前でしたが。←

ワークショップ:KJ法(親和図法)

インタビュー中に書き出した情報をボードに貼り付けて、似た内容同士でグループ分けし情報を抽象化していきます。この作業をグループ化と言い、これを元にペルソナの特性を時系列に並べて思考の変化を可視化していきます。

まずはインタビューで書き出した情報をボードに貼っていき、共通事項はないかを見比べて確認していきます。

それぞれ共通項が見出せてきたら、それらを要約して抽象化する文章(上記のオレンジのポストイットがそれ)でまとめていきます。

KJ法を行っている途中、「あれ?これってどういう文脈で言ったことだっけ?」とか「この情報、あんまり関係ないな…」といった具合で、インタビュー時点でうまく情報を引き出せていないケースもあり、このグループ化のところで少し苦戦していました。

やはり、最初のインタビューでどれだけの必要な情報を引き出せたか、という点が重要なんだとこの時点で実感していました。

ワークショップ:共感ペルソナ™

今度は共感ペルソナ™の上にポストイットをそれぞれ振り分けていきます。冒頭でも少し説明しましたが、Empathy Mapを応用した形で以下のような図にポストイットを貼り付けていきます。

なぜかうちの班のペルソナは泣いていました(笑)UXデザインが社内で広まらず一人で困っているんですね…。

この写真を見てもわかる通り、ペルソナの「聞いていること」(図の左部分)がほとんどなく、「していること」(図の右下部分)の部分に集中しています。いろいろと見方はありますが、インタビューの時点で、ペルソナが行っていることの背景や理由まで突っ込んで聞いていないことが原因だったかもしれません。

たとえば、「社内でUXデザインの勉強会を行っている」に対して、なぜ?の部分があるとすれば、「上司から『本格的にUXデザインを取り入れたいがノウハウがない』と言われた」といった背景があったかもしれませんよね。

こうした部分を見ても、表面的な事実の裏を聞き出すことの重要性が実感できました。

ワークショップ:発表、まとめ

さて、いよいよワークショップの最後です。それぞれの班で作成した共感ペルソナ™を元に、3分程度で発表できるシナリオを作成していきます。それぞれのペルソナが実際にどのような境遇・背景でUXデザインを学ぶようになり、どのような経験を経て、どのように考えが変化していったかを簡潔にまとめていきます。

発表者はそれぞれ参加者の前でシナリオを発表していきました。

このようにペルソナの似顔絵を書いてイメージさせやすくする工夫をしている班もありました。

まとめ

講義・ワークショップ・発表まで終わったところで、今回のイベントのまとめに入っていきます。鈴木氏から、ワークショップの途中での気づきや改善点などがシェアされましたが、中でも印象的だったのが、「とにかく多くの人(ペルソナ)に届けたいんだ」という議論にあまり意味はないということ。

これはイノベーター理論に関係してくることですが、どんな市場にサービスを打ち出していくかによって、ターゲット層は当然変わっていきます。下記のスライドのように、イノベーター層をターゲットとするのか、マジョリティ層をターゲットするのかによって、ペルソナも母数も違ってきますよね。むしろサービスの成長とともに、ペルソナを刷新していく必要があるのはこの理由によるところもあるかと思います。

共感ペルソナ™を使ってチームでペルソナを共有することも大切ですが、そもそもどんな層にフォーカスしていくかということから考えていくのも重要ですね。とても示唆に富んだコメントでした。

懇親会に参加!

無事にイベントも終了しましたが、懇親会にももちろん参加してきました!

長丁場で疲れていたので、ビールでも飲みながらワイワイ…というのも良かったんですが、せっかくなので、他の参加者の目から今回のイベントについてどのような感想を持たれたかプチインタビューしてみました!

「社内に誰もデザイナーがいなく、UI/UXについて自分で本などで調べながら知識を増やしていくしかない状況だった。今回セミナーでそれこそ本に載っていないようなことも含めて体験することができた。こうした経験を小規模なレベルから社内で実践していきたいと思う」

(Webデザイナー)

お話を聞く中で印象的だったのは、社内にいながら受託や外注のような感覚で「これかっこよくお願いね!」と言われることも少なくないというところでした。社内で他にデザイナーがいない状況で、バナーからチラシ、ロゴデザイン、サイト制作まで引き受けているそうですが、これではデザイナーの地位が上がらないと思い、こうしたセミナーでナレッジをためているそうです。そうした活動を社内に還元し、デザイナーのプレゼンスを高めていきたいとおっしゃっていました。

「業務系のシステム開発のUI設計を行っている。前回のセミナー(ユーザビリティ評価)が良かったので、今回も続けて参加させていただいた。参加してみて実感したのは、やはりインタビューがとても難しいということ。また、KJ法の部分についても時間が割とタイトだったので、もう少しまとめる時間が欲しかったのが正直なところ。」

(Webディレクター)

業務系のシステムということもあり、従来はUI/UXの話題は上がらなかったそうですが、次第に社内で重要性が認識され始め、こうしてセミナーに積極的に参加して情報収集を行っているそうです。

「社内で学習アプリの制作に携わっている。自分たち企画側がUI/UXに関して議論できる材料や知識を持って、エンジニア・デザイナーと一緒になってサービスを作っていきたいと考え、今回のセミナーに参加させていただいたのが背景。実際に参加してみて、やはりインタビューの重要性を痛感した。こうしたセミナーや業務での経験を積んで、もっと根本的なUXデザインについて学んでいきたいと感じた。」

(Webディレクター)

上記に加えて強調されていたのは、ユーザーに使ってもらえるようなサービスを作るということでした。最終的なゴールをチームで共有し、同じ方向を向くためにも、こうしたマインドは大切ではないでしょうか。また、実際に参加しての考察もロジカルにされていたのが印象的でした。

インタビューを行った方々の多くは「インタビューが思いの外難しかった」と感じていたようですね。また、社内でUXデザインに関する経験に長けている人が少ないという状況も似通っていたのが印象的でした。

懇親会なのにこんなインタビューまでしちゃってマジメか!と思うかもしれませんがご安心ください。この後たっぷりピザとビールをいただきました…。

おわりに…

さて、UX、デザイン思考、サービスデザインのための「チームで使える共感ペルソナ™入門 」いかがだったでしょうか?いま抱えているペルソナ設計の悩みを解決するヒントがすこしでもシェアできたなら幸いです。

当日の資料について

なお、当日の資料をご覧になりたい方はこちらにアップしておきますので、ぜひチェックしてみてください!

関連記事はこちら!

またこちらのセミナーを行うにあたって参考にされた書籍を鈴木さんが紹介してくれています。理解を深めたい方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください!

「ワイワイカフェ 4 チームで使える共感ペルソナ™入門」の参考にした書籍まとめ

おまけ

懇親会の途中からなにやらホワイトボードの近くに人だまりが…。なんだろうと思って近づいてみると…

なんと、運営スタッフの方々が今回のセミナーの反省会をしていました!もちろんホワイトボードでKJ法を使って要素を分類していましたよ。…すごいな。

こうした姿勢、見習っていきたいですね!

澁澤 史哉

澁澤 史哉

2012年より半導体系の専門商社にてシリコンバレー付近の新興メーカーを国内プロモーションする業務に従事。2014年9月に退職し渡豪。帰国後、2016年よりマーケティングオートメーションツールferret One(フェレットワン)の運営にCSチームとして携わる。7月よりデザイナーへコンバートし、現在機能開発・デザインを担当。


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株式会社ベーシックのデザインチームが運営するブログです。主に自社メディアのクリエイティブ(Webサイト、バナー・LP制作)を担当しています。Webデザイン、チームビルディング等に関する記事を配信しています。


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